☆大晦日のバーボン・ソーダ

☆キララ☆

2009年12月31日 23:11

銘柄は 

FOUR 
ROSES


今夜は紅白を観ながら何を飲もうかな?と、
酒屋さんで探していたら
「」☆☆☆

ドウシテ今マデ忘レテイタノデショウ?





我が青春の♡ FOUR ROSES ♡



高円寺のバーで知り合ったKENさんは、
極真カラテの達人で、若き武道家でした。
出身は山形、朴訥とした山形弁と一見温厚そうな風貌とは裏腹に
なかなか硬派な内面を持つ3歳年上・O型蟹座青年でした。

当時の私は女子大卒業後、就職もせず好きなダンスの道に進み
アルバイトとレッスンに明け暮れる毎日で、
高円寺のアパートで一人暮らしをしていました。
当時高円寺という街は、地方から出てきた俳優の卵やアーティストの卵、
歌手の卵と、卵だらけの自由な空気が溢れる街で、
自分にとっても居心地が良く住みやすい土地なのでした。

午前中はアルバイト、午後からレッスンの掛け持ちだったその日、
くたびれ気味の私は知り合いのオカマのタマちゃんのバーに寄りました。
一杯飲んでタマちゃん相手にガールズトークをするつもりでしたが、
カウンターで一人で飲んでいたKENさんと運命的な出会いをしました。

運命的と書いたのは、その出会いまで私は男性との付き合いがなく、
その後の5年間、KENさんとKENさんの山形の実家のご家族と
家族ぐるみで親しくお付き合いをする仲になったからです。

お酒を愛するKENさんは、洋酒にも日本酒にも詳しくて、
私にお酒の種類と、その飲み方を丁寧に教えてくれました。
飲んで人格が変わるということもなく、淡々と真顔で冗談を言い、
お酒が愛しくてタマラナイ・・・というオーラを発しながら
いつまでもいつまでもバーのカウンターで静かに飲んでいる人でした。

「KAYOちゃんにはバーボンが似合うよ」
ビールとカクテルしか知らない私に、ある日KENさんが
バーボンをオーダーしてくれました。
その日はワイルドターキーというバーボンでしたが、
甘くない炭酸で割ったバーボンソーダは、飲みやすく、
ひと口飲んだ時からすぐに気に入りました。

それからI.Wハーパー、アーリータイムズ、ジム・ビームに
エライジャ・クレイグと、いろんな種類のバーボンを味わい
ある日、KENさんが連れて行ってくれた新宿の老舗のバー
「バルボラ」でフォア・ローゼズに出会ったのでした。

バルボラの薄暗いカウンターで紹介されたバーボンは
FOUR ROSES・・・「四つの薔薇」という洒落た名前も、
瓶に描かれた絵もひと目で気に入りました。

何より味がGOOD。バーボン特有のピリっと刺激を感じる飲み口が
ロックにした時にも美味しくて、それからずっと夏はバーボンを飲み、
冬はいいちこのお湯割りを飲むというのが自分のスタイルになりました。

KENさんとはそのまま結婚しても不思議がないほど、
何から何まで気が合って、休暇の時には山形の実家で過ごしていましたが、
何故か一緒にはなれませんでした。
恐らく「お互いに 似すぎている」というのが、
一緒になれない一番の理由だったのでしょう。

お酒の美味しさ、お蕎麦の味も、
武道家としての人生の「物の見方」も、たくさんたくさん教えてくれた
人生の師匠のようなKENさんは、今でもお酒を酌み交わしながら
お話ししたい懐かしい友人の一人です。

本当はバーボンを飲みながら今年一年を振り返るつもりでしたが
20数年ぶりに飲んだFOUR ROSESが、私を高円寺時代に
タイムスリップさせてくれました。

2度と戻って来ないあの日々が懐かしい。
青春でした。








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